円形脱毛症を見つけたものの、どのように治療すれば良いか分からずに困っていませんか?
保険でカバーされない治療も行う脱毛症の専門クリニックもありますが、まずは保険で費用がカバーできる、皮膚科での検診へ行くのが最初のステップです。
皮膚科では、どのような検診が行われるのでしょうか?病院での治療法と合わせて解説します。
円形脱毛症は治る?
皮膚科学科のガイドラインによると、円形脱毛症が単発型または少数単発型の場合、1年以内に80%が治ったというデータがあります。
脱毛の期間が短く、脱毛箇所が少なければ、特に治療を受けなくても自然治癒する場合も多くなっています。
ただし、脱毛が3年以上と長期に渡る場合や、アトピー性皮膚炎や自己免疫疾患を発症したことがある場合は、治る可能性が低くなるとされています。
いづれにせよ、脱毛症を見つけたら、早めに治療を行う方が、治る可能性が高くなっています。
関連記事 「円形脱毛症の実体験と、その治し方をまとめました」では、Q&Aサイトへの回答を元に、円形脱毛症だった方々の完治のコメント、そして、その治し方をまとめています。
円形脱毛症の原因
円形脱毛症とは、頭にコインのような円形の脱毛斑ができる病気です。比較的軽度の「単発型」から、「多発型」「蛇行型」「全頭型」などのタイプがあります。重度の疾患の場合、眉毛や体毛など、全身に症状が広がることもあります。
■多発型:脱毛斑が2つ以上できるタイプ
■蛇行型:後頭部から側頭部の生え際にそって、蛇のように脱毛斑が広がるタイプ
■全頭型:頭全体に脱毛斑が広がり、最終的に頭髪がすべて抜けてしまうタイプ
■汎発型:頭髪以外にも眉毛、まつげ、体毛など全身の毛がすべて抜けてしまうタイプ
ストレス
ストレスを感じると人間の体は緊張状態になり、自律神経が乱れて血流が悪くなります。血行不良により、髪の毛に十分な栄養が送れなくなってしまいます。栄養素が送れなくなると、髪がやせ細ったり、発毛サイクルの乱れで抜け毛が多くなります。
円形脱毛症の約2割程度は精神的ストレスが引き金となっていると言われます。
自己免疫疾患
本来は、人間の体を守るため、ウィルスを退治する役割を持っている自己免疫が、正常な細胞にまで攻撃を仕掛けてしまう疾患です。
円形脱毛症の場合、毛根がその攻撃の対象になっていると考えられています。残念ながら、自己免疫が攻撃を起こしてしまう原因は解明されていません。しかし、自己免疫疾患を治す為の治療で円形脱毛症が改善が見られた為、円形脱毛症の原因の1つとして注目されるようになりました。
遺伝
近年では、遺伝が関係している説も有力視されています。再診の大規模疫学の調査では、円形脱毛症の患者のうち約8.4%に、家族内に円形脱毛症があると言われています。
ただし遺伝によって受け継がれるのは、円形脱毛症の発症のしやすさのみです。円形脱毛症そのものが受け継がれるわけではありません。円形脱毛症を発症したことがある家族がいる場合、本人も症状が出やすい可能性があります。
ストレスを溜めない、食生活に気をつける、普段から頭皮ケアに気をつけるなどの予防策で防ぐことが可能です。
アトピー
アトピーと脱毛症の関係性について、実際のデータがあり、円形脱毛症の患者の約半数がアトピー素因、つまりアトピー性疾患を持っている結果が出ています。
アトピー自体が、遺伝性があるようで、父母にアトピーの症状がある場合、子もアトピーになりやすい可能性があります。よって、本人でなくとも家族の誰かにアトピー素因を持っている人がいる場合、それが要因となり円形脱毛症になりやすい可能性があります。
妊娠・出産前後の女性ホルモン変化
妊娠中、出産後の授乳期間中は女性ホルモンが大きく変化します。妊娠中や、出産直後に円形脱毛症や、びまん性脱毛症の症状が出るケースがあります。
出産直後に抜け毛が増えることがありますが、これは「分娩後脱毛症」と呼ばれます。出産した約7割の経産婦に見られる症状で、女性ホルモン変化によって、毛髪サイクルが乱れることにより起こる脱毛症です。通常は時間の経過と共に回復します。
円形脱毛症は、一部分の髪の毛がツルツルになくなる状態ですが、分娩後脱毛症は部分的な脱毛症ではなく、頭髪全体の抜け毛が多くなる現象で、円形脱毛症とは区別されます。
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円形脱毛症の治療法
円形脱毛症の治療は、病状の進行度合いによって選択されます
ステロイド局所注射と局所免疫療法が有効とされ、奨励されています
ステロイドには副作用のリスクがあります
塗り薬(ステロイド外用薬)
対象…ごく初期の円形脱毛症及び、脱毛面積が少なめな方の第一選択とされています。
比較的安全性が高い治療法です。炎症や免疫機能を抑える効果があるステロイド外用薬を、脱毛症箇所に直接ぬります。
飲み薬(ステロイド内服液)
対象…脱毛面積が頭皮の25%以上を占める進行期の方の第一選択とされています。
ステロイド治療には、高い水準の発毛効果があるとされています。
注射(ステロイド局注)
対象…成人で固定期の円形脱毛症の方に実施される療法です。
頭部の脱毛斑にステロイドを直接皮内に注射します。炎症を抑え、自己免疫性疾患の症状を改善します。
局所免疫療法
対象…すべての円形脱毛症の方。特に広範囲に脱毛が見られる方。多発型・全頭型・汎発型の第一選択とされています。
一般的に行われている治療法ですが、ステロイド治療で生じる可能性のある、糖尿病や高血圧などの副作用リスクがありません。
人工的にかぶれをおこす化学試薬(SADBEやDPCP)を脱毛部にぬり、皮膚炎をおこすことで免疫反応を作用させます。これにより自己免疫反応を抑え、毛根を再生させる方法です。治療頻度は1~2週に1回程度行います。
ステロイドパルス療法
対象…発症後早期の成人の方で、とくに重症の円形脱毛症の方
脱毛症が急速に進行している重症の方に対し、高い効果が確認されています。内服の10~20倍の大量のステロイドを3日間連続点滴することを1クールとし、期間を置いて1から3クール行う治療法です。 免疫反応を抑制し、自己免疫疾患を改善するとされています。
抗アレルギー薬
対象…アトピーによる円形脱毛症の方
ステロイド治療で生じる可能性のある、糖尿病や高血圧などの副作用リスクがありません。第2世代抗ヒスタミン剤の投与により、アレルギー症状改善し、脱毛範囲の縮小を促す治療法です。 ほかの治療法と併用されることもあります。
以上、皮膚科で行える治療の種類ですが、ストレスの原因がなくなった途端、改善が見られたという体験談も多く耳にします。実際にストレスが引き金となる円形脱毛症は、全体の2割を占めると言います。
医師による治療の他、積極的にストレス原因を取り除くのが、円形脱毛症には有効なようです。
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円形脱毛症はセリフケアも大切
ストレスを溜めない生活
十分な休足と睡眠
バランス良い食事
頭皮への刺激を少なくする頭皮ケア
バランス良い食事は育毛につながります。特に育毛に有効な栄養素については「体内側から薄毛・脱毛症対策に必読!髪の成長に不可欠な3大栄養素と食品」で説明しています。
一般的に広く利用されているカラーリング剤は、頭皮を強く傷つけ、アレルギーを誘引する原因ともなるジアミンが配合されています。非ジアミン系植物系染料の白髪染めに変えるだけで、大きくダメージを軽減できます。一般のカラーリング剤の危険性については「薄毛・脱毛症になったらカラーリングを避けるべき理由!白髪ケア対処方法」で詳しく説明しています。
病院での検診はどのように行われる?
問診と触診
脱毛症の原因特定や治療方針の選択のために、頭皮、毛穴の状態を確認します。
まずは医師によって、円形脱毛症に至るまでの経緯の問診を受けます。一般的に、生活環境や親兄弟に円形脱毛症の人がいないかなど、質問がされます。
触診では、脱毛症が現在も進行中なのか停滞中であるのかを確認するため、髪を軽く引っ張ることもあります。
血液検査
他の病気が脱毛症の進行の原因になっていたり、症状改善の妨げになっていることがないかを確認するため、血液検査を行う場合があります。
血液検査により、肝臓や腎臓などの臓器の状態や、栄養状態、その他の病気の兆候がないかを確認します。
私も血液検査を行いましたが、検査結果に特に問題はありませんでした。/speech_bubble]
治療
触診、問診、血液検査の結果を見ながら、治療方針を決定し、治療を開始します。
私の場合は塗り薬でのステロイド治療です。シャンプーを頭皮に優しいタイプにすることも勧められました。/speech_bubble]
経過観察
脱毛症のタイプや重度によってタイミングは異なりますが、経過観察のために再検診を行います。結果によっては、治療法を変更したり、完治確認により治療を停止します。
2回目の検診は、半年後でした。すでに円形脱毛症は完治していたのですが、びまん性脱毛症に悩んでいる時期です。検診内容は、ほぼ同じ。使用しているステロイドのタイプが、少し弱いタイプに変更となりました。/speech_bubble]
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病院の選び方
円形脱毛症の治療方法は、すでに幾つかの選択肢が確立されているものの、かかる医師によって、その選択は異なることがあります。治療方法の選択だけではなく、医師そのものの人間性は、あなたが治療を続けるに辺り、大きく影響するでしょう。
問診の際に、あなたを不安にさせるような応対をする医師もいるようです。すでに脱毛症でメンタル的なショックを受けているので、人間力で安心感を与えてくれる医師の方が遥かに治療が効果的に進みそうですよね。
また、きちんと脱毛症についての知識や今後の治療法を丁寧に説明してくれる医師の方が、安心して治療を受けることができますね。
病院の応対で嫌な気持ちになることがあれば、我慢せず、転院を考えても全く問題ありません。脱毛症の大敵は、ストレスですよね?我慢はストレスです。
脱毛症については、治療法を丁寧に説明してくれる医師
対応が丁寧で、気楽に質問などができる医師
医師が治療に積極的「私が治そう!」という気持ちが伝わる
最後に言いたいこと
円形脱毛症を見つけた方は、不安な気持ちでいっぱいだと思います。私もそうでした。円形脱毛症の発見に至るまでは「薄毛主婦の脱毛症発症までの実話(ハゲ写真あり)」で詳しく説明しています。
そして、具体的に「38歳薄毛女子が、円形脱毛症を完治させた方法」で説明している通り、私の円形脱毛症は、発見から1ヶ月を過ぎた頃から、産毛が生え出し、完治へ向かって行きました。
また、私の友人は、当時の彼氏からのDVによるストレスが原因で全頭脱毛症に。一時期はウィッグも使用していましたが、その彼と別れ、ストレス原因を取り除いたら発毛、完治しました。現在は、幸せな結婚もし、子供にも恵まれています。
私の経験や、友人の例を見ていても、円形脱毛症は治る病気だと思います。どうか、悲観的にならずに、まずは皮膚科の検診を受けてみてください。
皮膚科で成果が見られない場合、脱毛症の専門クリニックや、針鍼などの東洋医学の力を借りることもできます。
「円形脱毛症の実体験と、その治し方をまとめました」で円形脱毛症を完治させた方の実体験をまとめていますが、脱毛箇所に針をさしてもらったところ、数日後に産毛が生えてきたという方もいます。
ただ、皮膚科以外は保険が聞かないので、やや割高な治療費用となってしまいます。なので、まずは皮膚科を頼るのが、第一のステップでしょう。私は、皮膚科だけで完治させました。
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